株式会社FOMM様

EVの課題解決や非常用電源の確保に向けたバッテリーシェアの仕組みを支えるクラウドシステム「Battery Cloud」を構築。

超小型モビリティを開発する株式会社FOMMは、エネルギーを分散させてシェアすることで地域特有の文化を守りながら経済発展を促す「Smart Area構想」の実現を目指し、バッテリー交換式EVや持ち運び可能な「バッテリーコンテナ」などの「バッテリー交換インフラ」を展開しています。 同社はバッテリー交換インフラを普及させていくにあたり、バッテリーの充電情報や位置情報などを一元管理し、ユーザー同士がシェアできる仕組みが必要でした。 そこで、Will Smartがサービス開発パートナーとしてバッテリー情報をクラウド上でビッグデータ化し、ユーザー向けに可視化するシステム「Battery Cloud」を構築しました。

 開発の経緯について代表取締役 鶴巻様と社長室 佐藤様にお話を伺いました。

FOMMについて

Q.まずは貴社の事業内容について教えてください。

鶴巻様:FOMMという社名は「First One Mile Mobility」の頭文字を取ったもので、身近な移動に特化したモビリティのメーカーです。東日本大震災がきっかけで、「津波が来ても一人でも多くの命が助かれば」という思いで開発した水に浮くEVが特徴です。また、EVを開発するだけでなく、「バッテリー交換インフラ」を構築することでモビリティ分野にとどまらず、再生可能エネルギーの普及促進や地域の防災力向上などにつながる新たな電力供給の仕組みづくりに取り組んでいます。

株式会社FOMM 代表取締役 鶴巻様

Q.バッテリー交換インフラとはどんなものですか?

佐藤様:車両内部にある着脱式のバッテリーを交換することで給電が可能な「バッテリー交換式EV」やコンセントが無い場所にも持ち運んで使用できる「バッテリーコンテナ」があります。 「バッテリーコンテナ」はEVだけでなく、オフィスや家庭での日常利用や非常用電源としての利用など、様々な場面で活用いただくことができます。 エネルギーを分散させることで電力が足りない部分を補ったり、昼間に太陽光発電で蓄電しておいた電気を夜間に使用することで再生可能エネルギーの稼働効率向上にも寄与します。

超小型EV「FOMM ONE」に搭載されているバッテリーの様子

Battery Cloudについて

Q.Battery Cloudとはどんなサービスですか?

佐藤様:バッテリ―コンテナやバッテリー交換式EVに専用の端末を搭載することでこれらの位置情報や充電情報を取得・可視化し、クラウド上で一元管理するサービスです。バッテリー交換式EVのユーザーのほか、バッテリーコンテナのみを使うユーザー同士でもバッテリーをシェアできる仕組みとなっています。 管理画面ではバッテリーとEVの位置情報が地図上に表示されます。使用したいバッテリーを事前に予約する機能が搭載されているので、ユーザーはEVで出かけた先でバッテリーを交換することができます。 また、バッテリーにエラーが起きた場合は管理画面からエラーの詳細を確認することができます。エラーの内容にもよりますが、バッテリーに搭載されている端末を管理画面から遠隔で再起動させて復旧することができるので、今後管理するバッテリーの数が増えても迅速な対応が可能です。

Q.開発にあたってこだわったポイントはありますか?

佐藤様:特にこだわったのは車両やバッテリーから取得する情報の種類や取得する頻度です。車両からは様々なデータを取得することができますが、データの種類を増やしすぎると通信量が大きくなってしまうので、ユーザーが必要な情報を厳選してご提供しています。

Battery Cloudの管理画面にバッテリーとEVのアイコンが表示された様子

背景

Q.Battery Cloudを開発したきっかけを教えてください。

鶴巻様:当社は創業当初からEVの航続距離の短さや充電時間などの課題を解消するためにバッテリー交換式EVを開発しているのですが、その際に車両とバッテリーを切り離してユーザー同士でバッテリーをシェアする仕組みを作ろうと考え、Battery Cloudの開発を始めました。

Q.Battery Cloudの構想は創業当初からあったものなのですね。

佐藤様:はい。当初はEV専用のサービスとして検討を進めていました。 バッテリー交換式EVのユーザーが出先でバッテリーを交換できるよう各地にバッテリー交換用ステーションを設置して使用してもらうというものでした。

当初想定されていたバッテリー交換ステーション

Q.現在のBattery Cloudとは大きく異なりますが、どのようにして今のサービスができたのでしょうか?

佐藤様:当初の構想はステーションが無い地域では利用できないサービスで、そもそもステーションを利用してもらうためにはまずEVの生産量を増やさなければならない、という課題がありました。そこで、当社のバッテリーはEV以外にも利用できることに目をつけ、Battery CloudをEVユーザーだけでなく一般のユーザーも利用できるバッテリーシェアのサービスへ切り替えることにしました。 あくまでEVはバッテリーの使い先の一つで、スマートフォンやPCの充電や家電の使用など様々な使い方ができるバッテリーを不特定多数でシェアするというイメージです。

Will Smartを選んだ決め手

Q.Will Smartとの出会いについて教えてください。

佐藤様:Will Smartさんとの出会いは2021年からさいたま市で行われている「超小型EVシェアリングサービス実証実験」です。この実証実験で当社は超小型EV「FOMM ONE」を提供しているのですが、その際にWill SmartさんがEVのシェアリングで使用されている車両制御システムや車両情報取得システムを開発されたと知りました。 当時は別の会社とBattery Cloudの開発を進めていたのですが、我々が構想の拡大により仕様変更を希望したことも影響して徐々に折り合いがつかなくなり、プロジェクト自体が頓挫しかけていました。そのため、ちょうどBattery Cloudの新しい開発パートナーを見つけなければなりませんでした。そこで営業担当の方に「バッテリー交換インフラを一緒に開発したい」と持ち掛けたところ快諾いただき、「Battery Cloudの開発に向けて、カーシェア事業で培ってきた経験やノウハウなどもアドバイスできます」と仰って下さったので、一緒に取り組みを進めていくことを決めました。

Q.実際にWill Smartとプロジェクトを進めて、どんな印象をお持ちになりましたか?

佐藤様:フットワークが軽くて、相談や連絡がしやすくて、親身になっていろいろ提案してくれる会社だなと感じました。当社はEVのメーカーなので、ITや通信は見識が少ない分野だったのですが、「こういうことを聞いてもいいのかな?」と思うような基本的な質問にも親切に答えていただき、そのうえで「この要望を叶えるにはこうしたらいいですよ」と提案してくださったので開発がスムーズに進められたと思います。

今後の展望

Q.今後はBattery Cloudをどのように展開していきたいですか?

佐藤様:まずは「FOMM ONE」など、当社のバッテリー交換式EVのユーザーに向けに展開していきたいと考えています。Battery Cloudでバッテリーをシェアすることで「EVの航続距離が短いからその範囲内でしか使用しない」のではなく、「充電が少なくなってきたら近くにあるバッテリーを探して交換する」という仕組みを確立していきたいです。 また、自治体などでは災害発生時の非常用電源の確保が喫緊の課題となっていますが、Battery Cloudを災害対策で活用する構想もあります。 Battery Cloud上ではどの地域にどれくらいの電気が貯められているのか可視化できるので、災害が起きた地域に十分な電力が無かったとしても、近隣地域からバッテリーコンテナを持って行くことで電線に頼らない電力供給が可能です。エネルギーを分散させることで、電力の弱い地域を無くしていきたいと考えています。

Q.貴社の今後のビジョンを教えてください。

鶴巻様:コンパクトモビリティの分野で世界ナンバーワンになりたいと考えています。先日行われたジャパンモビリティショーでは車輪を回転させて平行移動ができる新型EV「FOMM TWO」を発表しましたが、当社のミッションにも掲げている「テクノロジーの”!“をつくる」の実現に向けて取り組んでまいります。

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