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AI・データサイエンスサービス

熊本県内のバス事業者5社の共同経営において 複数社の異なるバス運行データの統合、管理、分析を実現

熊本県バス5社共同経営推進室様

2021.06.18

熊本県バス5社共同経営推進室様

2021年4月1日より開始された熊本県内のバス事業者5社(九州産交バス、産交バス、熊本電気鉄道、熊本バス、熊本都市バス)の共同経営プロジェクトにおいて、保有データの統合、管理、分析までを行う「バスダイヤ統合分析サービス」を提供いたしました。

今回の導入の背景や今後の展望について、九州産交バス株式会社のプロジェクト担当者の今釜様に伺いました。

導入システム

バスダイヤ統合分析サービス

形式や構成が異なる各社保有データの統合を行い、各社路線の時刻表、バス停別の乗降データ、バス停ごとの交通量、OD表などのデータ比較、分析、集計、さらには人流データなどのサードパーティデータとの連携も可能なクラウド型システムです。

クラウド上に構築することで、各社同時に最新データを閲覧、共有することができ、さらに直感的で誰もが使いやすいUIを実現しています。また、他の交通機関のデータや、地域情報、天気予報など他データと掛け合わせるなど拡張性に優れたサービス運用も可能です。

<画面イメージ>

左が乗降データ、右が深堀データのイメージ
サービスの詳細はこちら

導入の背景

全国のバス事業者と同様、熊本県でも厳しい経営環境や利用者減少、運転士不足等により公共交通サービスの縮小がかなり進行しており、将来の公共交通サービスをどう維持していくかという課題がありました。そうした中で、国土交通大臣の認可を受けた場合に乗合バス事業者による共同経営等について認める「独占禁止法特例法」の施行の後押しもあり、全国に先駆けて共同経営に向け、バス事業者間と行政間で合意、2020年4月よりバス会社5社と行政を含めた共同経営準備室を設置しました。さらには、翌年の2021年3月に共同経営計画が認可され、4月からはサービスを実施しております。

共同経営を進めていくにあたって、サービスの向上および関係者や地域住民の合意形成のために、需要供給バランスの検証などといったデータ活用は必要不可欠でした。しかし、複数社かつ複数種類のデータを扱うため、加工や集計に手間がかかってしまい、肝心な分析に注力できないという課題があり、データの統合・分析ができるシステムを導入する運びとなりました。

Will Smartの「バスダイヤ統合分析サービス」を選んだポイント

今回は共同経営なので、5社のダイヤ・路線情報や運行実績データ(バスロケデータ)を集約、5社一体の路線再編やダイヤ見直しなどに活用できること、各社のデータ集計・分析などの業務効率化も実現できることがシステム選定の一番の条件でした。条件に合ったシステムを一緒に構築していく会社を探している中でWill Smartに出会いました。

選定の際の決め手は、上記の条件を満たす分析レベルとコストの部分が大きかったです。クラウド型のシステムなので、複数社でも扱いやすく、データ分析の拡張性もあり、初期費用や将来のリプレイス費用がほとんどかからないことから、重視していた分析レベルとコスト面の条件に一番合っていた、Will Smartの「バスダイヤ統合分析サービス」に決めました。

今後の展望

今後、バスダイヤ統合分析サービスを活用して実現していきたいこととして、今考えていることは主に3つあります。

1つ目は、熊本県内の話ではありますが、公共交通全体の最適化を図り、バスだけに限らず路面電車などほかの公共交通機関のデータも集約し、各々が分析システムを導入するのではなく、みんなでひとつのエコシステムが出来ないかと考えており、バス以外の公共交通事業者にもお声掛けしていきたいです。最近は全国的にも、スマートシティやMaaSに向けた取り組みが増えているので、いかにコストと集計時間を抑えながらデータ分析を実現できるかを考える必要があると思っています。

2つ目が人流データやサードパーティーのデータの活用と高度化です。共同経営の検討初期の段階では活用イメージができなかったのですが、データ分析を始めてみて、人流データなど潜在的なデータを掛け合わせるイメージができるようになってきたので、次の分析レベルではそういったデータの活用も視野に入れています。また、この大量データの活用に、AIでのダイヤ作成や遅延を考慮した便作成等、高度化を考えていきたいと思っています。

3つ目は、熊本以外の地域のバス事業者とデータ分析について意見交換ができるコミュニティづくりです。具体的には、Will Smartのシステムを使う他のバス事業者と、お互いの分析データのレベルを上げるために、ユーザー会をして、分析について意見交換会ができるコミュニティを作っていければと考えています。

こうした取り組みを通じて、熊本の地から新しいデータ分析のかたちを作っていければと思っています。

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