京王電鉄バス株式会社様

バスターミナル東京八重洲にスマートターミナルシステムを導入し、省人化と業務効率化を実現

2022年9月17日に京王電鉄バス株式会社様(以下、京王電鉄バス様)が運営する「バスターミナル東京八重洲」の一部エリアが東京駅前の「東京ミッドタウン八重洲」の地下に開業しました。
 このバスターミナルに当社が開発した「スマートターミナルシステム」(以下、STS)をご採用いただきました。STSを活用することで、広いバスターミナルでも少人数で運営することが可能になります。

バスターミナル東京八重洲とは

バスターミナル東京八重洲とは、東京駅八重洲口方面に散在している高速バスや空港連絡バスの停留所を集約するため、全3期に分けて段階的にUR都市機構が整備し、ターミナル全体を京王電鉄バス様が運営するものです。
 新しいバスターミナルは地下で東京駅から直結しており、屋内の待合スペースや商業施設も整備されるため、課題となっていた東京駅からのアクセスの煩雑さや、周辺道路の混雑の解消が期待されます。2028年度に予定されている全面開業後は20か所の乗り場を持つ国内最大級のバスターミナルとなります。

導入システム

STSとはクラウドをベースにしたシステムで、通常であれば別々のシステムから動かす必要がある下記の4つのシステムを連携させ、管制室から一元管理できるようにしたものです。

  1. ①バス便ダイヤシステム

    発車番線、日単位のダイヤ運行情報を統合管理する

  2. ②デジタルサイネージシステム

    利用者および在車表示器向けに、当日のバス運行情報、災害、天気情報等を案内表示する

  3. ③利用者ホームページ管理システム

    利用者に当日のバス運行状況やバスターミナルに関する情報、周辺施設の案内等を行うウェブサイト(PC版/SP版)を管理する

  4. ④構内放送管理システム

    バス便ダイヤシステムと連携し、バスターミナル構内に設置された案内用スピーカーから利用者向けの音声案内を放送する

STSの全体像は下図のようになっています。STSは60以上のハードウェアと連携しており、待合室と乗車/降車バースをつなぐ自動ドアや構内にバスがあることを知らせる在車センサー、バスの運行状況を知らせるデジタルサイネージ、ターミナル内アナウンスに至るまで管制室のボタン一つで遠隔操作ができるようになっています。

導入の背景

●導入前の課題

京王電鉄バス様はバスターミナル東京八重洲の運営業務を受託したことで運営に必要な新システムを構築する必要がありました。また、従来のバスターミナルとの差別化を図るため、サービスの質を保ちながらも少人数で運営をすることを希望しており、業務の負担を抑えられるような仕組み作りが必要でした。

●Will Smartを採用いただいた理由

バスターミナル東京八重洲は、1日数百便が出発する大規模なターミナルで、日常の利用者のほか、観光客や訪日外国人などさまざまな利用者が迷うことなく目的のバスに乗車できるように誘導しなければなりません。
 Will Smartでは過去に羽田空港や横浜シティエアターミナル(YCAT)でデジタルサイネージを活用したバスの運行情報の統合・表示システムの整備と情報配信の一括管理による業務効率化の提供を行ってきました。今回もそのノウハウが生かせると考え、デジタルサイネージを用いた人手を必要としない情報配信システムをご提案しました。
 この提案が長期的な運用、拡張も視野に入れたクラウド上のシステムによる一元管理に取り組もうとするバスターミナル東京八重洲の方向性と一致し採用いただくことになりました。

導入の効果

●運行情報の即時反映

STSを運行ダイヤ等を管理するWeb画面と連携させることで、運営会社がダイヤの変更や遅延をPCに入力するとSTSから直接ターミナル内のデジタルサイネージへ情報が提供されるので少ない係員の人数でのターミナル運営が可能になりました。

●人手を介さない運行案内

当日の運行便が表示されるデジタルサイネージには便ごとに席の形式(指定席・自由席)や、整列する場所が明記されており、改札中の便には「改札中」と表示されるようになっています。また、ダイヤの遅れに伴う乗り場の変更なども随時サイネージ上で反映されるので利用者はサイネージを見るだけで最新の情報を確認できます。
 また、利用者がバスターミナル東京八重洲のホームページから、乗車予定の便を登録するとメールで乗り場の変更や改札開始の案内が届くサービスも盛り込んでおり、案内業務を省力化させています。

今後の展望

Will Smartでは、クラウドシステム開発の強みを生かし、バスターミナル東京八重洲の第2期、第3期の拡張をSTSで支えていきます。今後は現在のシステムを引き続きご利用いただくだけではなく、外部の渋滞情報や防災情報などのオープンデータソースとも連携してより質の高い情報を提供できるように検討を進めています。
 バスターミナルは今後、ただの交通機関の乗り換え・乗り継ぎ地点ではなく、多様な情報や人が行き交う社会インフラになると考えます。技術の進歩や社会の変化に応じてバスターミナルの機能を進化させていきたいと考えています。

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