大日本コンサルタント株式会社様

共創により、災害時の安全な避難とスムーズな避難所運営をサポートする可視化システムを開発

Will Smartと大日本コンサルタント株式会社(以下、大日本コンサルタント)との共創により災害発生時に住民の安全な避難行動と自治体職員の避難所運営をサポートする、「ヒト・モノの把握・可視化システム」の開発が行われました。

今回は開発が行われた背景や、システムを活用した実証実験などの取り組みについて、大日本コンサルタントのインフラ技術研究所 技術開発本部 次世代交通推進室の富田様、大谷様にお話を伺いました。

▲(写真左から)大日本コンサルタント株式会社 技術開発本部 次世代交通推進室 富田様、大谷様

開発背景

当社では以前から防災・減災の取り組みの一つとして、災害MaaSの企画を検討していました。その際に、自治体の防災担当者との対話を通して、避難所の受付業務に時間がかかったり、一つの避難所に人が集中して避難者がたらい回しになるなど、避難所の運営における課題解決のニーズが多いことがわかりました。

そこで、多くの自治体の災害時の困りごとを解決するツールを提供していきたいと考え、今回のWill Smartとの共創による「避難所ヒト・モノ可視化システム」の構築に至りました。

システム概要

「ヒト・モノ可視化システム」はクラウド上で各種情報を管理することで住民が避難時に必要になる情報を一括で入手できるほか、避難所入所受付業務の効率化など、避難所の運営を担う自治体職員のサポートをするシステムです。

Will Smartをご採用いただいたポイント

Will Smartとの出会いは、当社の他部署で行っていた新規事業開発のマッチングプログラムにWill Smartがエントリーしていたことです。

その後も継続的にやり取りを続けていたのですが、災害MaaSの企画を検討するにあたり、MaaSやモビリティの事業に取り組んでいるWill Smartに相談してみようということになりました。また、今回の可視化システムを構築する際にはシステム面について、私たちが詳しく知らない専門的な内容もわかりやすく丁寧に説明をしてくださり、本当に助かりました。システムについては、避難所管理をクラウドで一元管理できる点、災害の状況についてリアルタイムでJX通信と連携できる点などに魅力を感じました。

実証実験について

昨年度、兵庫県三田市の避難訓練で本システムをご採用いただき、自治体担当者の方からも一定の評価を得ることができました。

避難所の運営を行う自治体職員の方からは特に負担を感じているという受付業務の軽減につながる点が非常に好評でした。従来は避難者が紙に記載した内容を受付職員が手入力で登録しているので、避難所の受付に行列ができてしまうという課題がありましたが、避難所に設置したQRコードを避難者が自分のスマートフォンで読み取り、そのまま登録まで完結できる方法をとったことで大幅な業務効率化が期待できたと伺っています。

また避難を行う住民目線では、JX通信のAPI連携によって地図上で倒木、浸水、火災などの二次災害情報を把握できる点や避難所のペット受入可否や授乳施設などの有無、混雑情報等をリアルタイムで把握できるので、自分が避難するべき避難所が探しやすくなる点が高評価でした。

▲避難所の満空情報の可視化

▲避難所の備蓄の在庫状況の可視化

今後の展望

本システムについてはお問い合わせをいただくことも多く、前述の実証実験の結果を踏まえてさらなるサービスの向上や自治体への正式展開を進めていきたいと考えています。正式展開に向けては、必要な機能が各自治体によって異なるため、基本機能を必要最小限に抑えて、自治体ごとに必要なオプションを選べるような形でのシステム提供を検討しています。

また、いざという時にスムーズにシステムを活用していただくために、災害発生時だけではなく平常時にも使えるサービスを考えていきたいです。例えば、平常時はカーシェアリングなどのモビリティサービスに活用できて、災害時は避難支援サービスとして活用する、といった方法が考えられますが、実現させるにはまだ課題がありますので、これからさらに検討していきたいと考えています。

大日本コンサルタントでは、今後も自治体に向けて今回のような災害時に役立つツールを提供してまいります。そうした中で、Will Smartには引き続き、共創パートナーとして一緒に取り組んでいただきたいと思っています。

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