バス会社2社間の運行情報表示システム統合による利益性向上

 羽田空港のバス発券カウンターリニューアルに際し、2019 年の 3 月に第 1 ターミナル1階バス乗車券カウンター南、5 月にバス乗車券カウンター北、そして 2020 年の 6 月に第 2 ターミナル1階のバス乗車券カウンター(南・北)に Will Smart のバス運行情報表示システムを導入していただきました。導入後 1 年が経過した第 1 ターミナルでの運用、そして今年度の第 2 ターミナルの導入について、導入の経緯から、効果、今後の展望まで、日本空港ビルデング株式会社様と実際にシステムの運用を担う羽田旅客サービス株式会社様にお話を伺いました。

写真左から、日本空港ビルデング株式会社 施設管理グループ 施設運営部 旅客サービス課 先任課長 中西様、
羽田旅客サービス株式会社 旅客サービス部 セールス事業グループ 所長 門様、
日本空港ビルデング株式会社 施設管理グループ 施設運営部 旅客サービス課 笹瀬様

導入システム

バス運行情報統合・表示システム
 京浜急行バス株式会社様と東京空港交通株式会社様のダイヤ情報管理システムと接続し、両社の羽田空港発のバスのダイヤ情報を統合、東京・千葉・神奈川など方面別に行先・発車時刻・空席状況・次発便など、バスのダイヤ情報を表示しています。
 また、インフォメーションモニタでは、自動券売機情報や乗り場への案内、東京ディズニーリゾート行バスの空席状況などの Will-Sign を利用した配信に加え、渋滞情報、遅延情報などの運行情報などについても、羽田旅客サービスのスタッフにより、WEB アプリを通じてコンテンツ更新ができます。
ハードウェア
<第 1 ターミナル>
55インチモニターを計10面導入、8面をダイヤ情報表示モニタとして、2面をマルチでインフォメーションモニタとして運用しています。
<第 2 ターミナル>
55インチモニターを計13面導入、11面をダイヤ情報表示モニタとして、2面をマルチでインフォメーションモニタとして運用しています。

方面別の運行情報を表示するモニタと中央に配置されたインフォメーションモニタ

導入の背景

導入前の課題
 バスの運行情報はこれまで京浜急行バスと東京空港交通は各社のシステムと接続した別々のディスプレイに表示されていました。そのため、バス利用者にとっては、目的地に向かうバスの発車情報がわかりにくく、有人のカウンターに行列ができてしまうという課題があり、本来は、旅客案内を行う案内カウンターでは、バス乗車券販売に多くの人手がかかっていました。こうした状況に課題意識を持った日本空港ビルデングは、第 1 ターミナルリニューアルの一環として運行情報表示システムのリニューアルを計画し、2018 年度にリニューアルを手掛ける業者を企画コンペ形式で決定することとなりました。
日本空港ビルデングでWill Smartを採用いただいた理由
 企画コンペで、株式会社カナデン様と共に Will Smart からご提案いただいたことがきっかけです。コンペでは、デザイン性、先進性、システム操作性といった項目を踏まえ、総合的に判断して決めました。今回のバスカウンターのリニューアルにおいて重視していたのは価格ではなく、デザインや拡張性といった部分でした。そのため、デザイン性に優れ、機能の拡張提案などを含んでいたWill Smartの提案内容が決め手になりました。

導入効果

1.利用者の変化
 リニューアル後は、これまで別々に表示されていた京浜急行バスと東京空港交通バスのダイヤ情報が統一され、目的地に向かうバスの情報がわかりやすくなりました。また、モニタ下のスペースを有効活用することで自動券売機も増設され、券売機周辺の視認性が向上したことにより、バス乗車券購入者の自動券売機利用率は大幅にあがり 9 割を占めるようになりました。自動券売機のスペースは、国内各地から羽田空港に到着したお客様に、行先により異なるバス運行会社の違いを分かりやすくするため、A を京浜急行バス、B を東京空港交通と区別し、インフォメーションディスプレイ等では A/B を用いて運用しておりますが、この A/B という形での表示も、定期的に利用するお客様に徐々に浸透してきています。特に、第 1 ターミナルの北カウンター、第 2 ターミナルのリニューアルでは、以前は左端に表示していたインフォメーションモニタの位置を中央に変えたことで、自動券売機の区分などがよりわかりやすくなり、ダイヤ情報の表示モニタを含め、モニタを見ているお客様がより増えています。

※青の A が京浜急行バス、オレンジの B が東京空港交通バスの自動券売機。


2.スタッフのオペレーションの変化
 スタッフの業務負荷軽減やオペレーション効率化やお客様対応の向上につなげることができています。実際にシステムの運用を担当する羽田旅客サービスでは、自分たちでシステムを利用して表示情報を変更する運用を行うのは初めての試みでした。基本的なテロップの表示といった操作は直感的でわかりやすく、情報を整理して利用者の方に提供する業務ができていると感じています。有人のカウンターは、バス乗車券販売に関する問い合わせが激減しました。これによって有人カウンターの行列がなくなり、羽田空港のご利用に不慣れな方や、お手伝いを必要とするお客様へアクセスに関するご案内とチケット販売に特化し、丁寧なコミュニケーションに集中することができています。
 そうした現場の状況をふまえ、ターミナル全体を管理している日本空港ビルデングの立場からも、オペレーションするスタッフの業務効率化や省人化につながっていると思っています。

今後の展望

 今後の展望としては、まずは、インフォメーションモニタの活用を中心とした情報の出し分けを実施していきたいと考えております。今回、インフォメーションモニタによって「ダイヤ情報・運行情報」以外の情報発信もできるようになったことで、空港を利用する旅客のためにどういった発信ができるかを追求しています。
 また、今、新型コロナウイルスの流行をきっかけに、情報提供を中心に、業務全体としてもロボットやサイネージを活用したデジタル化によって人同士の接触をなるべく減らす方向に進めていく岐路に立っていると感じています。今回の運行情報表示システムやディスプレイの導入もまさにそうしたデジタル化の一つです。
 利用者の立場に立って「人がやるべきこと」と「人がやらなくてもいいこと」を区別し、デジタル化を進めることで、お客様がより安心して快適に利用できる空港を目指していきたいと考えています。

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